中国の古典『神農本草径』には、すいかに関する記載が一項目もありませんが、これを原点として、李時珍(明代)が著した『本草網目』にはすいかの薬効が記されています。
それによると、すいかの赤い果肉には、
1 尿の出を良くする、
2 酒毒を防ぐ、
3 血尿に効く、
4 口や舌、口の周辺にできたおできを治す、
5 風邪などによるのどの痛み及び腫れを治す、
6 腰痛に効く
などの薬効があり、一方、種子には解毒作用があって、熱さましに用いるほか、果肉と同じく尿の出をよくする効果があると解説しています。
明の時代って、調べてみると、1368年から1644年までなんですってね。
こんな時代から注目されていたんですよ!
果皮や果肉には、特殊成分の一つとして利尿作用に関与している「シトルリン」というアミノ酸が含まれていて、これが利尿効果を高め、むくみをとる効果があるとされています。
むくみは腎臓病ばかりでなく、心臓病や高血圧から起こる場合もあります。
また妊娠や水分の取りすぎ、かたよった食事などが原因でむくみを生じることもあります。
いずれにしても、すいかには体内の水分を排泄する働きがあるので、むくみには絶大な効果を発揮します。
そのまま食べても、十分に効果があります。
でも、さらに効果的に摂るために、民間療法として「すいか糖」が存在するというわけです。
「シトルリン」はアミノ酸の一種で、1930年に、日本ですいかから発見されたんです。
2007年より、サプリメントなどの食品素材として新たに使用が認められた成分ですが、海外では以前からすでに使用されていました。
アメリカでは血流改善、動脈硬化予防、精力増強などを目的としたサプリメントとして、ヨーロッパでは、シトルリンリンゴ酸塩が疲労回復の医薬品として販売されています。
そして最近では、「シトルリン」が血管を強くしなやかにすることで、ぼくたちの健康に役立つことが解明されてきています。
ここで、すいかに含まれる栄養素について、もう少し詳しくお伝えしますね。
いま一度、「シトルリン」について
多くの女性が体のむくみに悩んでいます。すいかに多く含まれるシトルリンには、血液を改善する効果があるので、すいかを食べると手足のむくみの改善が期待できます。シトルリンは、ほかの果実にはほとんど含まれない成分です。
「β-カロテン」
アンチエイジング食材“緑黄色野菜”の条件は100g中にβ-カロテン600μg以上含有することですが、すいかに含まれるβ-カロテンの量は、200gあたり1600μgです。めっちゃ多いですよね!β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、新陳代謝を促し、肌の老化を予防します。
「リコピン」
トマトに含まれるリコピンは、美肌を損なう活性酸素を除去する力が強いことで知られていますが、なんとすいかにはトマトより多くのリコピンが含まれています。また、リコピンには体脂肪燃焼効果があることも京都大学の動物実験で明らかになりました。
「ビタミンC」
すいかにはβ-カロテンから変換されるビタミンAのほかに、コラーゲン線維の合成に関与して皮膚の弾力性をアップさせるビタミンCが含まれています。すいかは、美しさのもとになる栄養がたっぷりというわけです。
「カリウム」
カリウムは、サイレントキラーと呼ばれる高血圧など循環器疾患の予防に効果的。また、カルシウムの骨への蓄積を高め、女性に多い骨粗しょう症予防効果も明らかになっています。スイカ200gに240mg含まれるカリウムは、アンチエイジングの知られざる立役者なのです。
「すいか」ってすごくないですか?
「シトルリン」で血管を強くして、いつまでも元気な体づくりを!
Comentários