以前に、大反響を呼んだNHKのテレビ番組がありました。(2016年の10月上旬)
その番組とは、「NHKスペシャル:血糖値スパイクが危ない!」~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~。という番組です。
「血糖値スパイク」って?そんなに怖いの?と感じられた方も多いかもしれません。
いま、健康診断では血糖値正常と診断されるにもかかわらず、“食後の血糖値が140mg/DLを超えて急に上がる方がいることがわかってきたというのです。
食後の血糖値をグラフで描くと、まるでスパイク(くぎ)のような形(急激な血糖値の上昇と下降)を示すので、このような現象が「血糖値スパイク」と呼ばれています。急激な血糖値の乱高下は、確実に血管にダメージを与え、これが繰り返されると、血管が硬くなり、次第にもろくなる動脈硬化の進行が加速することがわかってきました。
血糖値スパイクが日常的に起きている人は、知らず知らずのうちに血管のあちらこちらで少しずつ動脈硬化が進行し、心臓や脳の大きな血管が詰まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まると考えられます。
今回は、この「血糖値スパイク」の一般的な3つの対策をご紹介させていただきたいと思います。
①食事の改善
食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」を意識しましょう。
血糖値スパイクを予防するには、「どうやって体内吸収する血糖を減らせるか」がポイントとなります。
糖質というのは“砂糖、ごはん、パンなどの炭水化物”です。いきなり、ごはん、パンから食べるのではなく、食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、食物繊維が腸の壁をコーティングし、後から糖が入ってきた時に、 その吸収をゆっくりにするといわれています。
食べ物が胃から腸へ運ばれる際、タンパク質や脂質に反応して「インクレチン」というホルモンが放出され、その 働きで胃腸の動きが遅くなります。その後にご飯やパンなど糖質を含むものを食べれば、消化吸収に時間がかかるた め、血糖値の上昇が緩やかになるのです。
②「朝ごはん」はちゃんと食べよう!
実験によれば、1日3食を規則正しく食べている時には“血糖値スパイク”が生じなかった人でも、朝ごはんを抜くと、 昼食の後に“血糖値スパイク”が発生していました。
朝食も昼食も抜くと、夕食の後にもっと大きな“血糖値スパイク” が発生。
つまり、しばらく何も食べずにいた後の食事では、“血糖値スパイク”が一層起きやすくなるのそうです。
③「食後すぐ」のチョコチョコ運動が効果的
“血糖値スパイク”を抑えるには、運動が大事ということはお聞きになったことがあるかもしれません。実はそんなに大したことをしなくても効果があることが、最近の研究で明らかになってきました。
食事のあと、「食休み」と思って動かずにいると、特に“血糖値スパイク”が起きている人は、なかなか血糖値が下がらず、血糖値の高い状態が続いてしまいます。
ところが、食後すぐにちょっとした散歩をした程度でも、速やかに血糖値が下がることが分かったというのです。
食後15分間程度は、消化吸収をよくするため、全身の血液が胃腸に集められます。すると、胃腸の動きが活発になり、糖分もどんどん腸から吸収されて、血糖値が急速に上がりがちです。
ところが、この間に体を動かすと、手や足の筋肉などに血液が奪われ、胃腸の活動が低下します。すると、食べたものに含まれる糖分の吸収にも時間がかかり、“血糖値スパイク”が抑えられるそうです。
つまり、体を動かすなら「食後すぐ」が効果的!少し離れたところまでランチを食べに出て、食後すぐ歩いて帰るのも良いでしょう。日常的な動作でも、とにかく意識して食後すぐに体を動かしてみることをおすすめします。
番外編
でも…忙しい毎日では、なかなかこういった予防策を常に意識しきれないものですよね。実は「山の神様からの贈り物」と呼ばれる東南アジア山岳地域の特定エリアで採取される「黒ガリンガル」(ショウガ科の一種)にはこの血糖値の上昇を緩やかにするチカラがあることが研究によってわかってきています。
どうしても血糖値の上昇が気になる。でも、完全には生活習慣を変えられない。そんな方には朗報かもしれません。
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