『ヒートショック』からあなたとあなたの家族を守る正しい方法
- 本物研究所 株式会社
- 7月8日
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昔話になりますが、幼いころ、ぼくは、父と毎日銭湯に行くのが大好きでした。
いろんなお話をし、いろんなことを教えてもらったことをいまでもよく覚えています。
その父は、昔から心臓に爆弾を抱えていて、湯船に入る前に、必ず、足先から脚、手の先から腕、そして下半身、最後に上半身…とゆっくり丁寧にお湯をかけていました。まさにルーチンです。
「どうして?」って聞くと、「心臓から遠いところからお湯をかけていくことで、温度の変化にゆっくり対応できるんや…」と教えてくれました。
そのころから、父のルーチンは、ぼくのルーチンにもなりました。いまも毎日、シャワーでマッサージも兼ねて、ゆっくり全身を順に温度に慣らしていきます…。
冬はお風呂が心地よい季節でもありますが、入浴時の事故が急増するシーズンでもあります。
温度変化によって、急激な血圧の変動が起こり、意識障害や脳卒中などを引き起こす「ヒートショック」。これからは、細心の注意が必要となります。
東京都健康長寿医療センター循環器内科医長の鳥羽梓弓先生のレポートにあったのですが、「高齢者だけのものと思われがちですが、若い方も要注意です」と書かれています。
もう一度言うと、「ヒートショック」とは、気温や室温の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することによって起こる健康被害のこと。心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を起こすことがあります。
厚生労働省の人口動態統計によると、2023年、家や居住施設の浴槽で水死した65歳以上の高齢者は6073人もいらっしゃいました。同年の全国の交通事故死者(2678人)の実に約2,3倍です!
そして、全国の消防本部を対象に行った調査では、入浴中に心肺停止状態となった高齢者を月別に追ったところ、12月から2月ごろにかけて急増する傾向がみられたそうです。
調査では、「ヒートショック」に関連した入浴中の急死者が約1万7000人に上ると推計しています。
繰り返しになりますが、人間の体は冷えると血管が収縮し、血圧が上昇します。その状態で熱々のお風呂に入ると、収縮していた血管が拡張し、血圧は一気に下がります。この際、脳に血液を送る機能がうまく働かないと、気を失ってしまう…というわけです。
ただ、この調査の推計死者数のうち、約3000人は高齢者以外なんです。だから、高齢者だけに起こり得ること…とは考えてもらいたくないんですね。
「ヒートショック」を少しでも防ぐためには、どうしたらいいか?
専門家の答えは以下のとおりです。
1 脱衣所、浴室への暖房器具設置や断熱改修
⇒暖房機を設置してください!
2 お風呂のフタを開けて浴室を暖める
⇒お湯を張る前に、浴室をシャワーでしばらくあっためるのもありです!
高い位置からシャワーでお湯を張るのも効果的!
3 食事や飲酒の直後は入浴を控える
⇒がんばりましょう!
4 可能な限り1人での入浴は控え、同居家族がいれば声掛けを
⇒「お風呂入りまーす」の一言で命を守ることができます。
5 入浴前にコップ1杯の水か清涼飲料水を飲む
⇒これは絶対におススメです!
6 湯温は41度以下に設定する
⇒冬場はもう少しぬるめでもいいかも…。
「ヒートショック」とは、気温や室温の急激な変化で血圧は上下に大きく変動します。それによって心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を起こすことがあります。お風呂はとくに注意です。
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