
「腸は第二の脳」である。
みなさんも、このことを一度は耳にしたことがあると思います。
実際に、腸の上部に存在している神経の集まった太陽神経叢と呼ばれるところの神経を全部集めると、ラットの脳と同等の重量になることが分かっています。
また、日本語には、
肚が座った人だ。
あの人は腹黒い。
腹が立つ。
腹をくくる。
腹をかかえる。
腹を割って話す。
など、腸のあるハラにまつわる言葉が多くあります。
これはその人の性質を表すとともにその人の「精神状態」を表す言葉です。
肚が座った、などは精神が安定し、微動だにしない平常心をもっている状態を表すように、ハラ→腸の状態は精神状態に直結していることを私たち日本人は昔から知っていました。
このことは文化にもつながっていて、日本人は「ハラ(肚)の文化」の民族であるとも言われます。
ハラ(肚)をエネルギー視点でみてみると「丹田」

このハラ(肚、腹、胎)を、身体とエネルギーという視点でみると丹田(下丹田)に当たります。
身体には、上記の下丹田のほか中丹田(ハート部分)上丹田(脳幹から松果体、第三の目)というエネルギーセンターがあると東洋では言われています。
下丹田のガイア共振の重性のあるエネルギーの場と、熱性のエネルギーの場である中丹田は、互いに影響し合い、そのバランスから冷性(霊性)のエネルギーの場である上丹田の状態が充実するようになります。
つまり下丹田の充実が、上部のエネルギー場のコンディションを左右します。
丹田とは気の集まる場所。
特に下丹田はエネルギーが蓄積されるところでもあり、気を集め、充実させる生命エネルギーをためる場所です。
チャクラにおいても、生命力と活力の第1、第2チャクラにあたる場所でもあります。
下丹田は第二の脳であり、生命力の場でもある。これを成立させている大事な存在がいます。それが腸内細菌です。
精神の安定にも欠かせない腸内細菌

腸内細菌は、一般に健やかさへの貢献で有名ですが、腸内細菌の環境が非常にバランスの取れた共生の状態が維持されると、精神の安定、心理的な調和が生まれやすくなります。
先の言葉で言えば、肚が座ってくる、ということです。
ストレスにも負けない心理状態は、実は腸内環境と大変関係が深いのです。
一方で、下丹田は気の集まる場所と先ほど述べました。
日本サイ科学学会会長も務められた工学博士で、東京工業大学、ハワイ大学、電気通信大学などで教授として教鞭をとられた故、関英男先生は、「体内に必要な電子(気)を取り込む際にそれを受信する役目は腸内細菌が行っている。宇宙の重力波(グラビトン)を電子として人間の身体はこれを受信し、それをエネルギーと変えているのだ」と主張されました。
気功や太極拳などでは、呼吸が重視されますが、単に酸素と二酸化酸素の代謝を充実させるためだけではなく、下丹田のエネルギーを高めるために腸内細菌を活性化する意味合いもあるのかもしれません。
だから腹式呼吸なのでしょう。
このように下丹田が活性化すれば生命力が高まる基盤を整えることに通じ、気力が充実し、精神が安定し、身体的にもどっしりとしたグラウンディングが可能になります。
身体の充実=心の充実を実現する場こそが下丹田=腸であり、その担い手が腸内細菌なのです。
幸せホルモンも腸内でつくられる

最近の生命科学においても、腸内細菌が、人間の消化吸収を担っているだけでなく、特に神経伝達物質であるセロトニン(幸せホルモン)や精神を安定させる働きに注目が集まっているGABA等を創り出すのに重要な役割を担っていることが報告されています。
その、腸で神経伝達物質の産生をしてそれを脳で受け取るという働きの結果、腸と脳の連携活動が見出され、腸脳軸という概念までもが生まれ、その考え方から、「菌腸脳軸」という考え方が「生命活動の中心である」と言わるようにもなってきています。
これは、自分本来の精神状態を穏やかに保つことにつながり、ストレス耐性を高めます。
いずれにしても、腸と言う部位と腸内細菌の役割は私たちの創造を超えるような重要性をもっていて「今の激動の時代を生き抜く土台はまず腸の健やかさから」と言ってよいでしょう。
腸が免疫力の70~80%担っている

なぜなら、精神の安定の他に、腸は体内の免疫力の70~80%を担う場所であり抵抗力の砦のような場所でもあるからです。
ウイルスやバクテリアに対する防御と言う意味でも腸の免疫力を高めることは言うまでもありません。
「抵抗力を高め、不安に負けない精神の安定を図る」
これほど今、私たちに必要な事柄はないと言えます。
そのためには、腸内細菌の活性化をはかり腸の健やかさを取り戻し、腸内環境の充実が先決です。
日頃から発酵食品をたっぷり摂るよう心掛けたり、腸内細菌サプリメントを積極的に活用するなど、腸内環境を整える習慣を取り入れましょう。
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