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老化・寿命を制御する特別な“サーチュイン遺伝子”


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年々、平均寿命は伸びている。


これを聞いて、そのことに素直に喜べないのは、常に“健康”に関わる課題が日常生活のあらゆる場面に存在していて、私たち自身もそれを自覚しているからではないでしょうか。


内閣府の高齢社会白書「平均寿命の将来推計」によると、平均寿命は今後も伸びると予想され、2060年には、男性は84.19歳に、女性は90.93歳になるとのことです。身体健全でいられる状態(=健康寿命)は、男性:72歳/女性:74歳と言われているので、単純な平均寿命までの差が10数年あることになるのです。健康寿命も比例していかないと思い描いているような長生きをしているとは、言い難いのが現状です。


 

長寿大国、日本。いま、向き合うべき課題は。


日本は長寿大国ですが、これまで老化・寿命の制御メカニズムの研究は、ほとんどおこなわれずに個別の病気に対して多くの研究費が使われてきました。


しかし、いま世界では「多くの病気の根本的原因は老化にある」という考え方が主流となっており、老化が根本的なリスク要素になっているので、そのメカニズムを理解し、病気にかからないようにする研究が盛んになっています。


これまでのように病気を1つ1つ研究して予防策を講じていくよりも、多数の病気のリスク因子である老化そのものを研究して予防策を講じれば、効率的に複数の病気をまとめて予防できる考え、逆転の発想によって研究が進められています。


 

老化・寿命を制御する特別な“サーチュイン遺伝子”



1980年代終わりから分子生物学や分子遺伝学の発展によって、生物の遺伝子を操作して生命現象を解明しようという流れが起き、その結果分かったのは、ある1つの遺伝子に変化を起こさせるだけで、老化を遅らせたり寿命を延ばしたりできるということでした。


健康寿命を延ばし、「長寿遺伝子、若返り遺伝子」とも呼ばれているのが、サーチュイン遺伝子で、誰もがサーチュイン遺伝子を保有しているのですが、このサーチュイン遺伝子は通常は発動せず眠っている状態です。

私たちの身体には、NADという成分への合成経路があり、サーチュイン遺伝子はこのNADを使うことによって神経細胞を活発にし、身体のさまざまな機能を回復する効果をもたらすことがわかったのです。


 

NADそのものは、摂り込めない?




脳には血液脳関門というセキュリティ細胞層があり、脳の活動に必須となる栄養素を選択的に取り込んでいます。分子量500以下は関門を通過しやすいと言われていますが、NADは分子量600以上なので通過できません。


そこで、いま話題なのがNADの前駆体である「NMN」。

「NMN」という素材は、血液に吸収され、関門を抜けて脳細胞に運ばれ、さらには体内恒常性をかいくぐりNAD濃度を高めることができる、ということがわかってきました。

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